9月29日、30日、群馬県みなかみ町で、「アドベンチャーフェスティバル」という、沢山のアウトドアアクティビティーを一同に集めたアウトドアイベントが開催されました。
アドベンチャーフェスティバルは、大きく3つの“アドベンチャー”で構成され、メインイベント会場の湯檜曽公園で行われる「会場アドベンチャー」、みなかみの名物“ラフティング”や“ブリッジバンジージャンプ”など、お好きな体験メニューを選んで楽しんでいただける「お好みアドベンチャー」、競技を通して冒険体験をしていただく「里山アドベンチャー」の3つがあります。
今回は里山アドベンチャーの競技の一つとして行われた「アドベンチャーレース」について書きたいと思います。
昨年から、このアドベンチャーレースのレベルを「初心者でも大丈夫。テーマはENJOY!!」とし、地図読みも道路地図が読めれば大丈夫、体力的には30分ゆっくりジョギングできたらオッケーというファンなレースに変更しました。
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(コースディレクターの田中陽希氏。安全に、楽しくレースをして貰う為に、レースのルール説明と安全説明をします)

今年は、昨年のレースの評判が良かった影響なのか、全部で20チームが、このレースに参加してくれました。
今回のレースのディレクターはアドベンチャーレース日本代表、チーム「イーストウインド」の次期キャプテン田中陽希氏、レースは先ず、ディレクターのルール説明および安全説明から始まりました。
そして、午前8:00、今年もスタッフが知恵を絞りに絞って考えた、楽しいアクティビティ満載のアドベンチャーレースがいよいよスタートしました。
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 (午前8:00、レーススタート。最初は「パークオリエンテーリング」。この3分後、ハンター3体が投入されました)

最初のアクティビティーは「パークオリエンテーリング」、簡単に言うと、会場の湯檜曽公園内で行うオリエンテーリングです。
昨年と違うのは、スタートの3分後に、3体の「ハンター」が投入され、そのハンターに捕まってしまうと、ゴールタイムに数分のペナルティーが付けられてしまうというところです。
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  (今回のハンターは、“しんご”ハンター、“まー”ハンター、“くらっち”ハンターの3体。「さぁ、集中していこうぜ」)

なので、レーサーはハンターに捕まらないようにと、必死に逃げる訳ですが、ハンターも上下ウェットスーツに、滑りやすいブーツ姿で、全力疾走を繰り返したため、最後は相当ヘバッていました。
今回の「パークオリエンテーリング」は、ハンター3体を送り込んだおかげなのか、全チームが昨年よりも早く、このパークオリエンテーリングを終えて、次のセクションへと進んでいきました。
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     (暑さでヘバる“くらっち”ハンター。「ハンターなのにヘバッてますけど何か?」)

次のお楽しみはゴムチューブにしがみついてのターザン&ダイブ。
このアクティビティーは、取っ手付きのゴムチューブターザンにしがみついて、川に浮かべた輪っかの的に向かって行き、タイミングよく手を放してダイブするというものなのですが、これが非常に楽しく、レース前に下見をした時に、僕は必要以上にテストダイブを繰り返しました。
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(全ては手を放すタイミング。手を放したら、後は運命に身を委ねましょう。結果は神のみぞ知る)

続きましては、一変して“静”のアクティビティーで、写真撮影です。
しかし、ただの写真撮影ではなく、チームメンバー全員で“アドベンチャー”を表現してもらいます。
そして、レース終了後、全チームの写真をスタッフ全員で見て、どのチームが最も“アドベンチャー”を上手く表現しているかを審査します。
どのチームも、甲乙つけ難い感じで、実際、僕も、どのチームに投票するか相当迷いました。

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(僕が一票を投じたチームの一枚。ただ単に山が好きだから選んだわけではなく、仲良し感が良く伝わってきました)

お次は、今回のレースの目玉アクティビティーの一つ、アヒルちゃんのスラロームレースです。
各チーム、持参したアヒルちゃんを川に浮かべ、水鉄砲とうちわを使って、アヒルちゃんを誘導し、スラロームゲートを通過させていきます。
本物のラフティングレースのスラローム同様、ゲートに接触したり、ゲートを不通過の場合は減点となります。
この競技、選手の皆さんも頑張りましたが、それ以上に頑張ったのがアヒルちゃん達です。
時に水をかけられ、時に強風にさらされながらも頑張った、アヒルちゃん達に拍手を送りたいと思います。

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(ゲート設置は、何と、女子ラフティングチーム「Gratias!」キャプテンの森孝恵さん。アヒルちゃんも大満足なコース)

アヒルちゃんレースの後は、少し東屋で一休み。
ここでは、レーサー1人に対して1つのお菓子が用意されていて、それを食べてもらいます。
ただ、そのお菓子の中に、6個だけ“わさび入り”の“当たり”が紛れ込んでいて、運良くその“当たり”を引き当てたチームには、ゴールタイムから10分をマイナスするというボーナスポイントが与えられます。
これが“ラッキー”と思うか、“不運”と思うかは“あなた次第”です。

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(見事“当たり”を引き当てると、この様な顔になるようです。当たりを引き当てた6名の皆さん、おめでとうございます)

一休みした後は、スキー場の駐車場まで移動し、“巨大あみだくじ”からの、その先に待つ“課題”に挑戦します。
あみだくじを一つ選び、それをたどっていくと、その先に課題が書かれた紙があり、その課題にチームで一丸となって挑戦します。

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 (巨大あみだくじ。簡単な課題は一つもありませんが、その課題が得意な人がいるチームにはラッキーな課題も)

課題は全部で10種類あり、頭脳系から体力系まで、多種多様で、簡単なものは一つもありません。
とは言うものの、“知恵の輪”をあっさり解いてしまうチームもいれば、“ルービックキューブの一面完成”が中々出来ずに苛立つチームもあって、課題にも、そのチームにとっての“当たり”“ハズレ”があるのかなと思いました。
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 (課題の一つ“バトミントンラリー”。3人で順番に連続10回繋ぐ事が出来れば成功。これが意外と難しいんです)

課題をクリアーしたら、リバーウォーキングで川を下流に向かって歩いて下っていきます。
そして、渇水の影響で、ほんの数十メートルになってしまったラフティング、3人でボートを漕いで、次のアクティビティーへと進みます。
次のアクティビティーは“石積み”で、積んだ石達と一緒に仲良く写真を撮ります。
ここでのポイントは“どれだけ高く石を積むか”で、より高く石を積んだチームほど、より多くボーナスポイントが貰えます。
ただ、石積みに時間をかけすぎると、ポイントは要らないから、石を1、2個積んで、次に行った方が“得”という事にもなりかねないので、どちらが“得”なのか、その辺も考えて、石積みをする必要があります。

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  (「見よ、この見事な石積み」。この高さまで積み上げて、バランスを保っているのが凄いと思います)

“石の積み上げ”の次は、“石のレスキュー”をします。
アドベンチャーフェスティバルのロゴにも登場する“足型のマーク”が描かれた石が川底に沈められているので、それを潜って、レスキューをしてきてもらいます。
この“沈められた石”というのが、絶妙な大きさ、重さの石なので、石を掴んで水面まで上がってきても、石の重さで再び水中に戻されてしまい、そう簡単にレスキューが出来ない様になっています。
石をレスキューして、水から上がってくる姿は、まるで「海猿」、いや、「川猿」でした。

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  (ナイスレスキュー。今年も勇敢な“川猿”の力で、沢山の足型マーク入りの石たちの尊い命が救われました)

最後のアクティビティーは“チロリアントラバース&飛び込み”で、1人がチロリアントラバースで川の右岸から左岸に渡り、残りの2人は、岩壁から滝壺に飛び込んで、泳いで対岸に渡ります。
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(ロープアクティビティーのプロ集団「冒険小屋」のヒロさんとミッチーさん担当のチロリアントラバース。非常に楽しい)

チロリアントロバースの方は、スタートしてしまえば、後はもう、身を委ねるしかないのですが、滝壺への飛び込みの方は「高所恐怖症」の人には、“勇気”でどうこうなる問題ではないので、大変だったと思います。
現に、どうしても飛び込めず、その場から逃亡した方もいたみたいです。
勇気を出して“飛び込む”のも素敵ですが、勇気を出して“逃亡する”という、その“勇気”も僕は素敵だと思います。

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(チロリアントラバースを行わない、残りの2人は飛び込みをします。見た目以上に“高さ”あります)

メイン会場の湯檜曽公園に戻ったら、集めたピースを組み立て、パズルを完成させて、晴れてゴールとなります。
チーム全員で頑張って完成させたジグソーパズルは、まさにそのチームの“頑張った証”、ヘタな記念品を貰うよりも、ずっと思い出に残ると思います。

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(最後の大仕事、頑張って集めたパズルを完成させます。たとえピースが足りなくても、これがチームの頑張った証)

心配された天気も、レース中は何とかもって、今年も大成功の裡にレースを終える事が出来ました。
今年は昨年を大きく上回る、20チームに参加していただき、昨年以上に盛り上がりました。
ご参加いただいた選手の皆さん、本当にありがとうございました。
これに懲りず、また来年も参加していただけたらと思います。

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 (豪華参加賞、豪華賞品を手に全員で記念撮影。順位関係なく、皆、この笑顔。ここがこのレースの良い所です)

スタッフの皆さんも、本当にお疲れ様でした。
コースディレクターのよーき君は、睡眠時間を削ってレースの準備をし、重圧を背負い、特に大変だったと思います。
素晴らしいスタッフの皆さんのおかげで、素晴らしいレースになりました。

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  (アヒルちゃん達もしっかりと表彰します。惜しくも表彰台を逃したアヒルちゃん達も、表彰式を盛り上げます)

選手の皆さん、スタッフの皆さん、ご協力いただいた全ての皆さん、そして、忘れてはならないアヒルちゃん達、本当にありがとうございました。
来年は、更に楽しい、ファンなレースになる気がします。
これからもアドベンチャーフェスティバルと里山アドベンチャーレースが永遠に続きます事を切に願っております。

2012年10月9日 倉田文裕