10月14日、15日、「富士山の見える山」に登り、「富士山の見える温泉」に入る旅に、山梨県まで行ってきました。
なぜ「富士山への登山」ではなく、「富士山の見える山」への登山かと言うと、富士山からの景色ではなく、周りの山から綺麗な富士山を見たかったからです。
こう言うと、いかにも“富士山登山経験者”のように聞こえますが、僕は未だに富士山の頂に立ったことがありません。
5合目までは車で行った事がありますが、トレーニングで走りに行った事も、ご来光を見に登りに行った事もありません。
「いつかは登ろう」と思って、早数年、「来年こそは」、「来年こそは」と思っているうちに、今に至ってしまいました。
今年はもう寒いので、登りたくないですが、来年こそは、必ず、日本一高い所からの景色を見に行きたいと思います。
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(「カチカチ山ロープウェイ」の「富士見台駅」からの眺め。ここからの富士山の眺めも、河口湖の眺めも最高でした)

“富士山の見える山”は沢山あると思いますが、今回、僕が登った山は、「日本二百名山」に選定されている「三ッ峠山」、この山は“山梨百名山”にも選定されており、その中でもNo.1の人気を誇る山だそうです。
三ッ峠は開運山(1,785m)、御巣鷹山(1,775m)、木無山(1,732m)の3つの山の頂上の総称で、今回は、その最高峰「開運山(1,785m)」の頂上から「富士山」を見てきました。
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(富士見台駅から天上山へと向かうトレイル。傾斜が緩く、綺麗な登山道で、射し込む陽光がとても気持ち良いです)

登山ルートは、富士急行「河口湖駅」から徒歩で、「カチカチ山ロープウェイ」の河口湖畔駅(856m)まで行き、ハイキングコースを通って、「富士見台駅」(1,075m)に向かいます。
そこからは、基本、尾根上を走る登山道を、ひたすら三ッ峠の山頂目指して進みます。
「富士見台駅」から、山頂まで、距離はありますが、傾斜が緩く、歩きやすい登山道で、要所要所で、富士の眺望を楽しみながら登る事が出来ます。
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(登っている途中、MTBダウンヒルをしていたワッキーの知人レーサーの方達とすれ違い、一緒に写真を撮りました)

傾斜が緩く、綺麗で、歩きやすいトレイルという事は、それは同時に“走れるトレイル”でもあると言えます。
当然、トレイルランニングにも持って来いの登山道だと思うのですが、加えてMTBのダウンヒルにも持って来いのトレイルではないかと思います。
現に、今回、登山道の途中で、上からMTBに乗って下ってくる方達ともすれ違いました。
その方達が、偶然にもワッキーの知り合いの方達で、少しの間、楽しく話しをしながら、「世間って狭いな~」と本気で思っていました。
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(ルートの途中にある“富士山”ビューポイント。鉄塔が建っている平らな場所なので、休憩にはもってこいの場所です)

「富士見台駅」から傾斜の緩い、綺麗なトレイルをしばらく進むと、林道西川新倉線にぶち当たります。
その林道を横断して、再びトレイルに入り、更にしばらく進むと、右側に大きな鉄塔が現れます。
その鉄塔の建っている場所が、ルート上の“富士山”ビューポイントの一つで、鉄塔の下が平らな草地になっているので、休憩には最適な場所だと思います。
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(“富士山”ビューポイントの鉄塔で休憩する際は頭上に注意して下さい。僕みたいに頭をぶつけてタンコブができます)

鉄塔を過ぎてから先も、しばらくはアップダウンが少ない、歩きやすいトレイルが続きますが、「木無山(1,732m)」の山頂が近づくにつれて、斜度が急になり、岩もゴツゴツしてきます。
しかし、そのキツイ上りも長くは続かず、すぐに何処が山頂なのかわからない「木無山(1,732m)」の山頂に到着します。
「木無山(1,732m)」を通過したら、あとは2つの山小屋を通過して、最後に短い急な坂を登れば、三ッ峠の最高峰「開運山(1,785m)」の山頂に到着します。
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(ロッククライミングのメッカ“屏風岩”。幅200m、高さ100mに渡って垂直に切り立った岩壁。良く見ると人がいます)

「開運山(1,785m)」の山頂の手前にある「三ッ峠山荘」と「四季楽園」の2つの山小屋の間には、開運山の南斜面が良く見える場所があります。
その南斜面と言うのが、幅200m、高さ100mに渡って垂直に切り立った岩壁が広がる、ロッククライミングのメッカ“屏風岩”なのだそうですが、この日も沢山のクライマーの方達が岩登りを楽しんでおり、しばらくの間、高い所が苦手な僕は、その姿に釘付けになっていました。
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(三ッ峠最高峰「開運山(1,785m)」山頂。若干ガスっていますが、天気は最高、富士山も見えて気分も最高でした)

山頂では、まず、お決まりの記念撮影をして、それから軽く腹ごしらえという事で、“日本一の山”を見ながら、おにぎりを食べました。
いつも美味しいと感じる山頂でのおにぎりですが、今回は“日本一の山”を見ながらの贅沢なおにぎりだったので、いつも以上に美味しく感じました。
おにぎりを食べた後は、“富士山の見える山”の山頂で、“富士山の絵”を描くという初めての試みをしました。
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(題名「“富士山の見える山”の天辺から見た“富士山”」。山頂と言う「特別な場所」で、新しい楽しみ方を見つけました)

今回、“いつもと違う事”、“初めての事”を山頂でやりたいと思って、スケッチブックや色鉛筆、クレヨンを持参して、山に登ったのですが、写真を撮って、食事をするという事以外にも、山頂で楽しめる行為が見つかった気がして、とても嬉しく感じました。
学生の頃から、決して上手くはないのですが、絵を描く事自体は嫌いではなくて、目の前に広がる絶景を絵に描くという事が、僕には非常に楽しく感じました。
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「木無山(1,732m)」山頂付近。別に藪漕ぎしなきゃ進めない所があるわけではありません。ただのおふざけです)

富士山の絵を描いている時から、少しずつ富士山に雲がかかり始め、風も冷たくなってきて、気温も下がり始めたので、絵を描き終えたら、すぐに下山を開始しました。
下山も行きと同じルートで、「開運山(1,785m)」山頂から、2つの山小屋の前を通って、「木無山(1,732m)」山頂の分岐点まで行き、そこからカチカチ山ロープウェイの「富士見台駅(1,075m)」に向かって尾根道を下りていくというルートで帰りました。
上り同様、傾斜の緩い登山道は、下りでも非常に歩きやすく、快適で、最初から最後まで、気持ち良く「富士見台駅(1,075m)」まで下ってくる事が出来ました。
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(木登りをしていて途中で木が折れたわけでも、木の強度をチェックしている訳でもありません。ただのおふざけです)

「富士見台駅(1,075m)」まで下りてきても、まだ「寒いな」と感じる位の気温だったのですが、ふと富士山の方を見上げると、上の方が、うっすらと雪をかぶって白くなっていました。
山頂で雪のない富士山を見る事が出来、下では軽く白く色づいた富士山も見れて、少しラッキーな気分になりました。
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 (富士山の山頂付近がうっすらと白く染まっていました。寒いわけです。何か身も心も温まるものが食べたいです)

帰りも「カチカチ山ロープウェイ」には乗らず、「富士見台駅(1,075m)」からハイキングコースを使って、麓まで下り、富士急行「河口湖駅」へと向かいました。
この日は、これで終了でしたが、翌日に“富士山の見える温泉”に入ると決めていたので、バスで甲府駅まで移動し、駅前のホテルに一泊しました。
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(甲府駅前にある甲州ほうとう「小作」さんの茸ほうとう。心も身体もホッカホカに温まりました。本当に美味しかった~)

この日の夕飯は、山梨名物の「ほうとう」を食べました。
以前にも食べた事はあって、初めて食べたという訳ではありませんでしたが、見た目以上にボリュームがありました。
夜になって気温が下がり、少し肌寒く感じる身体と、登山で心地良く疲れた身体に、温かい「ほうとう」が染み渡り、最高に美味しく感じました。
この旅の続き、翌日に入った“富士山の見える温泉”については、また次回のブログで書きたいと思います。

2012年10月26日 倉田文裕