前回のブログでは8月27日に枻出版社さんから発刊された『日本のロングトレイル』という雑誌の中でスノーカントリートレイルの事が紹介されている事とその雑誌の取材でスノーカントリートレイルのルートの一部「小赤沢~三国峠」までを2泊3日で歩いた時の事を少し書きましたが、今回はその旅の続きで、2日目の事を書きたいと思います。
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 (清津川に架かる橋「小日橋」。ここまでマイカー、タクシーが入れます。良く見ると「→赤♨」という文字が見えます)

初日は小赤沢から苗場山に登って、昌次新道を下り、赤湯温泉「山口館」に宿泊。
多少雨には降られましたがトレッキングも撮影も滞りなく進みました。
2日目の朝は朝食前に再び温泉に浸かり気持ち良く目を覚ましてから美味しい朝食をいただいて出発しました。
2日目の行程は赤湯温泉から火打峠へと向かい、松手山経由で平標山へと登り、山頂から三国峠方面へ下りて「平標山の家」に泊まるという行程でした。
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 (火打峠の平標登山口から「松手山」までは急坂が続きます。松手山まで頑張れば一気に前方の視界が開けます)

この日も初日同様天気予報は曇りか雨という事で良いとは言えず、夕方、雷と夕立が心配だったので、夕方前に「平標山の家」に着けるよう早目に赤湯温泉を出発しました。
赤湯温泉から火打峠までは、まず鷹ノ巣峠経由の登山道を歩き、棒沢橋を渡ってからはしばらく林道を歩きます。
この林道の途中に「小日橋」という名の橋があり、ここまで車で入ってくる事が出来てタクシーもこの場所まで呼ぶ事が出来ます。
更にこの林道をしばらく進むと左側に登山道へと下りる分岐が現れるのでそちらに進みます。
一度沢へと下りて渡渉し、少し登って小さな尾根へと出たら再びトレイルを下って苗場スキー場の北側、グランドがある所に出ます。
この間、苗場スキー場のリフトの管理道や林道、「苗場インデペンデンス・ボードウォーク」の木道等と合流したり交差したりする所があるので、迷い込まないように注意が必要です。
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(シモツケソウ【下野草】。松手山から平標山までの間は高山植物が豊富で、花畑のようになっている所もあります)

グランドと苗場インデペンデンス・ボードウォークの木道の間を真っ直ぐに進むと浅貝川に架かる橋があり、その橋を渡ります。
橋を渡って少し行くと激坂が待っており、その坂を越えると火打峠へと到着します。
火打峠の平標登山口には駐車場があり、トイレと飲み物の自動販売機もあります。
また、近くには「元橋」と「平標登山口」というバス停があるので、ここでトレッキングを終える事も、ここからトレッキングを開始する事も出来ます。
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(松手山から平標山へと続く道は展望の良い尾根上を通ります。天気が良ければ下の写真の様な景色を望めます)

スノーカントリートレイルのルートはこの火打峠から松手山を経由して平標山へと登り、山頂から平標山の家に下りていくというルートですが、松手山から上は樹林帯を抜け、雷などから身を守るものが無くなってしまうので、もし天候が心配な場合はエスケープルートとして火打峠から直接「平標山の家」に向かう平元新道を通るという選択をしていただいた方が良いかと思います。
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(平標山頂付近から松手山方向を見た写真。晴れた日の尾根道からの眺めは最高で一見の価値があると思います)

火打峠から松手山までの間は良く整備された木段の道が続きますが、傾斜がキツく決して楽ではなく、我々も汗だくになって登りました。
ただ、松手山を越えると視界が開け傾斜も緩くなるので精神的にも肉体的にも比較的楽になります。
また、松手山から平標山にかけての登山道は非常に展望の良い尾根上にある為、周辺の景色を楽しみながら登る事が出来ます。
残念ながらこの日はガスが濃くて偶にしか景色を見る事は出来ませんでしたが、草原状の尾根道には沢山の高山植物が咲いていて“高山植物の花畑”みたいになっていたので十分我々の目を楽しませてくれました。
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(平標山山頂から平標山の家へと向かう登山道はご覧の様な木段が整備されていてとても歩きやすくなっています)

撮影の方ですが、本来ならばキレイな景色が望める場所で少し粘って機会をうかがっていましたが、ガスは晴れる事なく中々その機会は訪れず、この日は撮影を断念して平標山頂へと向かい、山頂で一休みした後に「平標山の家」へと向かいました。
山頂から小屋へと向かう道は木段状で歩きやすく、前方にはこの日の宿である「平標山の家」や翌日に歩く稜線、更には大源太山などを一望する事が出来、左後方を振り返ると日本200名山の「仙ノ倉山」を望む事が出来ます。
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(「平標山の家」。向かって左側が有人の山小屋、右側が無人の山小屋です。幕営地もあるのでテント泊も可能です)

この日は夕立に降られる事も、雷に脅かされる事も無く、宿の「平標山の家」に到着。
流石にここには温泉は無く、初日のように“温泉で疲れを癒して”という訳にはいきませんでしたが、ボディーシートで身体を拭いてサッパリしてから各々宿でゆっくりそれぞれの時間を過ごしました。
平標山の家は有人の小屋の横に無人の小屋が併設されていて、有人小屋での食事付きの宿泊の他に、無人小屋での素泊まり、幕営地でのテント泊も可能です。
我々は有人小屋に食事付きで宿泊したのですが、夕飯も朝食もとても美味しく、小屋の内部もとても清潔で快適に過ごす事が出来ました。
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(「平標山の家」で飲む事が出来る湧き水。正に“山の恵”と呼ぶに相応しい湧き水で、冷たくてとても美味しいです)

ここの山小屋も今回初めて泊まったのですが、小屋の前の流しの蛇口から止めどなく流れ出ている湧き水が冷たくて本当に美味しく、ここに来る度に毎回お腹がガバガバになるくらい頂いています。
越後駒ヶ岳の「駒の小屋」のお水も大変美味しいですが、ここのお水も負けないくらい美味しいので、是非ここのお水で美味しいコーヒーを淹れて飲んでみて下さい。
今回の中編も大分長文になってしまいましたが、次回は旅の最終日、3日目のトレッキングのついて書きたいと思います。

2013年9月9日 倉田文裕