今年、2013年は僕にとって非常に浮き沈みの大きい激動の一年となりました。
全ては3月初旬に自分の不注意により左手首の骨にヒビが入るケガ(左橈骨遠位端骨折)をしてしまった事から始まるのですが、その後も仕事面でも、生活面でも沢山の出来事があり、トレーニングもレース結果も非常にむらのある一年であったなと思います。
今年、僕が最も多くの時間を割いたは「スノーカントリートレイル」の準備だったのですが、8月3日のスルーハイクイベントのスタートに向け、数ヶ月前から多くの時間をこの事に費やし、6月中旬から8月の中旬にかけての約2か月間はブログを書く暇もない状態で、オープニングイベントの一週間くらい前からは久しぶりに“寝る間を惜しんでの生活”というモノを味わいました。
9月に入りようやく少し落ち着き、少しずつトレーニングが出来るようになってきましたが、たかだか1ヶ月程度の準備で通用するほど今のトレイルランニングの世界は甘くなく、当然の事ながら10月のレースでは苦汁をなめる結果となってしまいました。
ただ、どんな結果に終わっても、出場したレースから得るもの、今後に活かすべきものが必ずあると思うので、今年も年始に決めた「目標」に対して結果はどうだったのか、また、「内容」はどうだったのかを順を追って振り返ってみたいと思います。


第2回 新緑の奥武蔵もろやまトレイルラン 目標:5位以内 結果:5位

日時 2013年5月11日(土)
種目 20.5km男子18歳~39歳
タイム 1:52’09
順位 5位

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(優勝に絡む事も出来ず平凡な順位でのゴールでしたが、無事にゴール出来た事にホッとし自然と笑顔になりました)

今年のレース初戦は、3月のアタマにケガをして、4月18日にようやくギブスが取れ、まだリハビリに通っている状態で臨んだレースだったので、レースの一週間前まで、出場しようかどうしようか正直迷っていました。
ただ、昨年11月のレース以降半年近くレースに出ていなかったので、レース勘を取り戻すという事を最大の目的にして、結果は気にせずこのレースに出場する事を決めました。
まだ左手首はリハビリの最中で、転んで手を着く訳にはいかなかったので、下りは特に慎重に走る必要があり、結果は5位という平凡なものになってしまいましたが、半年ぶりのレース、そしてケガをして初のレースを何事もなく、無事に完走出来た事にホッとしました。


☆ 第1回 飯能アルプス~奥武蔵丸山スーパートレイルラン 目標:3位以内 結果:2位

日時 2012年5月26日(日)
種目 37km男子18歳~39歳
タイム 4:48’07
順位 2位
男子順位 2位
総合順位 2位

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全長37kmのコースの83.24%がトレイルという素晴らしいコースを堪能して大満足でゴールまで帰ってきました)

今シーズン2戦目は初戦の「第2回新緑の奥武蔵もろやまトレイルラン」から中2週、「第1回飯能アルプス~奥武蔵丸山スーパートレイルラン」に出場しました。
このレースはスタート直後とゴール手前の舗装路以外はほぼトレイルで、全長37kmのコースの83.24%がトレイルという「これぞトレイルランニング」という感じの素晴らしいコースでした。
レースは序盤で2位まで順位を上げ、自ら潰れる事がない様、無理の無いペースで進めました。
トップとの差は、大高山でも、伊豆ヶ岳でも、丸山でも約3分で縮まらず、最後は更に差を広げられてしまい、最後まで追いつく事が出来ませんでした。
このレース前、トレーニングで走っていても手応えがなく、どうしたらケガをする前の自分を取り戻せるのかと本気で悩んでいましたが、このレースを走る事で吹っ切れました。
久しぶりにトレイルらしいトレイルを走り切れたという満足感もあり、順位はあまり気になりませんでした。


☆ 第3回 美ヶ原トレイルラン&ウォーク in ながわ 目標:1位 結果:10位

日時 2013年8月31日(土)
種目 70kmの部
タイム 9:39’48
総合順位 10位
男女別順位 10位
年代別順位 4位

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 (結果も内容も散々で、良い所を探す方が難しいレースでしたが、何とか完走という最低限の目標は果たせました)

5月に2つのレースに出場し、その後、このレースを前に6月に2レース、7月に1レースに出場を予定していましたが、8月3日にオープニングイベントを行った「スノーカントリートレイル」の準備等が忙しく、出場が出来ず、約3ヵ月ぶりのレースとなってしまいました。
「美ヶ原トレイルラン&ウォーク in ながわ」は今年で3回目の出場で、昨年、一昨年と2位という結果だったので、年始にたてた今年のこのレースの目標は優勝でしたが、3月のケガから5月の2つのレースを経て、少しずつ勘と身体が戻ってきたところで、またトレーニング不足に陥ってしまい、到底優勝など狙える状態ではなかったので、完走する事を目標にこのレースに出場しました。
ゴールタイムは昨年のそれよりも約1時間遅く、良い所を探す方が難しいレースで、ここ数年のレースの中で最も情けなさを感じるレースとなってしまいましたが、唯一悪くないと思った点は完走する事が出来たという事だと思います。


☆ 裏磐梯山岳耐久レース2013 目標:1位 結果:1位

日時 2013年9月28日(土)
種目 男子ショート21.4km
タイム 2:10’27
男子順位 1位
総合順位 1位

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(今年もスタッフの皆様のお陰で気持ち良く走る事が出来ました。レースに携わった全ての皆様に感謝申し上げます)

昨年までこのレースは11月のアタマに開催されていたので、ハセツネの後にシーズンの締めとして出場していましたが、今年は9月の終わり、ハセツネの2週間前の開催だったので、調整と言う位置づけで出場しました。
今年はロングコース(68.9km)とショートコース(21.4km)の2つの距離を選べたのですが、2週間後に70km超のレース控えている中、68.9kmの距離を走る事に不安があったので、21.4kmのショートコースの方に出場する事にしました。
このレースでは「今の自分の状態を知る為に脚と心臓をいじめる」というテーマを掲げ、とにかく最初から最後まで出来るだけトバすという事を意識しました。
レースを振り返ると、70kmのレースを戦える身体ではないなという感触で、脚も心臓も昨年の自分より弱いと感じました。
ただ、こればっかりは数ヶ月のトレーニングの積み重ねで強くしていくもので、1週間やそこらで何とかなるものではないので、ハセツネは“身体が弱いなら気持ちを強く”という意識で頑張らなければいけないと思いました。


☆ 第21回 日本山岳耐久レース 長谷川恒夫CUP 目標:10位以内 結果:第二関門 DNF

日時 2013年10月13日(日)、14日(祝)
種目 男子総合
タイム 第二関門 DNF
順位 記録なし

2013 日本山岳耐久レース①
(予備関門の入山峠の手前。今熊山へと向かう登りで「対昨年の自分」から「対今の自分」に気持ちを切替えました)

今回でハセツネは7回目の出場でしたが、初めて途中棄権という結果に終わり、過去最も不完全燃焼なレースになってしまいましたが、正直、この時の自分にピッタリの結果が出て良かったと思いました。
とにかく完全なトレーニング不足で、70kmを戦える身体ではない事は自分でも良くわかっていたので、変に中途半端な結果を残して、勘違いをしてしまうよりは、よっぽど良かったのではないかと思います。
レース前は何の手応えもないスカスカの状態でしたが、レース後には、今の自分に根本的に足りないモノ、それを得るためにこれからやるべき事、それを得た先に見えてくるモノ、それがハッキリとわかったので、非常に得るモノの大きい、とても価値のあるレースになったと思っています。


こうして振り返ると8月末の「美ヶ原トレイルラン&ウォーク in ながわ」と10月の「日本山岳耐久レース」以外は目標の順位以内でゴールする事ができ、そこまで悪くないように思われますが、僕としてはこの2つのレースでこそ結果が欲しかったので、合格点を与えるには程遠い内容であったなと思います。
こうなってしまった原因は「トレーニング不足」と非常に単純で、そういう状況に陥ってしまった自分に全ての責任があるのですが、自分の納得のいくトレーニングが出来ていて、持っている力を全て出し切れた時には、結果がどうであれ「良いレースでした」と言えると思うので、来年はそう言えるように頑張りたいと思います。
また、「頑張る」という意味では、僕がみなかみ町に来て以来ずっとお世話になっていたカッパCLUBの前代表取締役社長小橋研二さんが、何の恩返しも出来ないまま今年の10月28日に急逝されました。
僕は恩人である小橋研二さんに、アドベンチャーレーサーとしても、トレイルランナーとしても、リバーガイドとしても、何の恩返しも出来ていないので、これからどんな形でも良いので、少しずつ恩返しが出来るように頑張っていきたいと思います。
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                                                      (photo by Koichi Miyagami)

最後に一つ報告させていただきます。
私、倉田文裕は2011年に「パタゴニアン・エクスペディションレース」を通じて知り合った女性と結婚いたしました。
まだまだ未熟な僕ですが、出来る事を一つずつ積み重ねていき、少しずつ成長していきたいと思いますので、これからも変わらぬおつき合い、ご指導を宜しくお願い致します。

2013年12月30日 倉田文裕