正月は元旦の「天皇杯全国サッカー選手権大会」や「ニューイヤー駅伝」、更に2日、3日には「箱根駅伝」も行われ、スポーツイベントが目白押しですが、僕が毎年この時期に特に楽しみにしているのが「全国高校サッカー選手権大会」です。
自分が中学までサッカーをやっていたという事もありますが、全国4,166校の頂点を目指して全力でプレーする高校生の姿が非常に清々しく、観ていてとても気持ちが良いので、結果云々ではなくどうしても毎年気になってしまいます。
また、今年は神奈川県に拠点があり、テレビではなくスタジアムで直に試合を見れる環境にあるというのも今年「全国高校サッカー選手権大会」をより身近に感じている一つの要因ではないかと思います。
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(「天皇杯」、「ニューイヤー駅伝」、「箱根駅伝」、そして「全国高校サッカー選手権大会」が僕のお正月の風物詩です)

僕は長野県松本市の出身で、出身高校は私立「松商学園高等学校」です。
高校時代は硬式テニス部に所属し、それまでずっと続けてきたサッカーからは少し距離を置きましたが、サッカー自体は変わらず大好きだったので、その時も正月の「全国高校サッカー選手権大会」は欠かさず見ていました。
その母校のサッカー部が今回3年ぶりに長野県予選を勝ち抜き、全国大会出場を決めました。
僕は12月31日の1回戦(VS西京高校)と1月2日の2回戦(VS広島皆実高校)には行く事は出来ませんでしたが、東京A代表「修徳高校」との3回戦はどうしても直接応援したかったので、駒沢陸上競技場まで足を運ぶ事にしました。
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(「修徳高校」の10番田上 真伍選手の強烈なシュート。「松商学園」の選手達は身を挺してそのシュートを防ぎます)

「松商学園」の3回戦(ベスト16)進出は実に7年ぶりの快挙でしたが、残念ながら「修徳高校」に0-3で敗れ準々決勝進出は果たせませんでした。
母校の敗戦は非常に残念でしたが、この試合も地力に勝る強豪を相手に連戦の疲労が蓄積されている状態で、松商の選手達は最後まで全力で戦い抜き、本当に素晴らしいと思います。
試合に出場した選手の皆さん、ベンチやスタンド、そして地元松本から選手を支え続けた関係者の皆さん、本当にお疲れ様でした。
来年も再び県予選を勝ち抜き、全国の舞台で活躍されることを期待しています。
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(松商学園0-3修徳高校。母校の敗戦は非常に残念でしたが、最後まで戦い抜いた選手たちの姿に感動しました)

駒沢陸上競技場で行われた3回戦の第2試合は石川県代表の「星稜高校」VS岡山県代表の「玉野光南高校」の対戦でした。
「星稜高校」は先日イタリアのACミランに移籍した本田圭祐選手の母校ですが、一人一人のレベルが高く、とても見ていて楽しいチームだと感じました。
特に背番号10番を付ける寺村介選手のプレーは見ていてワクワクしました。
寺村選手の一番の魅力は懐の深さと技術の高さを活かしたキープ力で、相手ディフェンダーにとっては、ボールを奪えない、視野が広くパスも出せる、そしてシュートも上手い、これほど恐い選手はいないと思います。
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(「星稜高校」は選手一人一人のレベルが高いだけでなく、応援にも“一体感”があって見応え、聞き応えがあります)

この日の試合は「星稜高校」がPK戦の末辛くも勝利し、準々決勝進出を決めました。
「星稜高校」が勝利した事で、翌々日に同会場で行われる準々決勝の2試合は「松商学園」に勝利した「修徳高校」VS「星稜高校」、名門「市立船橋高校」VS昨年の準優勝校「京都橘高校」という非常に楽しみな対戦に決まりました。
「星稜高校」の寺村 介選手、「修徳高校」の田上 真伍選手、「市立船橋高校」の石田 雅俊選手、「京都橘高校」の小屋松 知哉選手、各校の10番を付ける選手達が皆素晴らしい選手で、彼らのプレーは直接この目で見るべきだと思い、3回戦に続いて準々決勝にも足を運ぶ事にしました。
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(自らPKを決め勝利した直後、相手ゴールキーパーのもとへと歩み寄り優しく声をかける「星稜高校」の寺村 介選手)

やはり注目の2試合が行われるという事で、この日の駒沢陸上競技場には3回戦にまして沢山の人がつめかけていました。
第1試合は「星稜高校」VS「修徳高校」で、終始「修徳高校」のペースで試合は進みましたが、両チーム共に決め手を欠きPK戦へ。
「星稜高校」のゴールキーパー近藤 大河選手が「修徳高校」のPKを1本目から3本連続でセーブするという離れ業を演じ、「星稜高校」が勝利しました。
近藤選手の3本連続セーブという離れ業にも鳥肌が立ったのですが、僕は「星稜高校」の勝利を決めた3本目のPKを蹴った選手、寺村 介選手の行動に感動しました。
彼はPKを決め勝利に喜ぶチームメートとの歓喜の輪に加わった後、すぐに泣き崩れる相手ゴールキーパー高橋 太郎選手のもとに駆け寄り優しく声をかけていました。
やはり素晴らしいプレーをする選手は素晴らしいスポーツマンシップも持ち合わせているんだなと感じた瞬間でした。
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(「修徳高校」の選手のPKを3本連続でセーブする「星稜高校」のゴールキーパー近藤 大河選手。鳥肌が立ちました)

第2試合は「市立船橋高校」VS「京都橘高校」の対戦で、決勝戦で顔を合わせてもおかしくない強豪校同士の対戦となりました。
前半は一進一退の攻防で0-0、後半に前回大会の得点王「京都橘高校」の10番小屋松 知哉選手が45分、66分に立て続けにゴールを奪い、2-0で「京都橘高校」が勝利しました。
この試合で2ゴールを奪った「京都橘高校」の10番小屋松 知哉選手も、残念ながら敗れた「市立船橋高校」の10番石田 雅俊選手も、ボールを持つと「何かやってくれる」と期待させる素晴らしい選手でした。
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(名門「市立船橋高校」の10番を背負う石田 雅俊選手。この選手もボールを持つとワクワクする選手の一人でした)

今年の「全国高校サッカー選手権大会」は史上初の北陸勢同士の決勝戦で、見事「富山第一高校」が劇的な逆転勝利で初優勝を飾りました。
高校サッカーは年々都道府県毎のレベルの差が無くなってきていて、見ている方としては益々面白くなってきています。
来年はどんなスター選手が出現し、どんなドラマが起きるのか、今からとても楽しみですが、個人的には見ていてワクワクする選手や高校が一人でも多く、一校でも多く出てくる事に期待したいと思います。
今年のお正月は改めて「サッカーって良いな」と感じられた良いお正月でした。

※写真は全てPENTAXK-3」で撮影しました。
  シャッタースピードが速く、狙った瞬間の写真をブレなく撮影する事が出来ました。

2014年1月15日 倉田文裕