森孝恵(ガイドネーム:はな)さんは女子ラフティングチーム「Gratias!」のキャプテンで、普段はカッパCLUBでラフティングガイドとして働き、ツアーの一切を取り仕切るツアーリーダーとして活躍しています。
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        (ラフティングだけでなく、カヤックも自在に乗りこなすはなさん。僕に言わせるとセンスの塊)

ラフティングガイドにはボートの右後ろで舵をきる、いわゆる「右ガイド」と左後ろで舵をきる「左ガイド」がいます。
人間に右利き、左利きがあるように、ガイドにも右の方が漕ぎやすい人もいれば、左の方が漕ぎやすい人もいるので、「右ガイド」になるのか「左ガイド」になるのかを自分で決めます。
因みにはなさんは左ガイド、僕も左ガイドです。
僕がカッパCLUB一年目、まだ先輩ガイドと一緒でなければボートに乗れなかった頃、同じ左ガイドであるはなさんのボートに良く乗せてもらって勉強させてもらいました。
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(力みのないパドリングで効率良くボートをコントロールするはなさん。「ラフティングは力じゃない」。正に女性ガイドの鑑)

はなさんの凄い所はラフティングは「力」じゃないという事を証明している所だと思います。
はなさんの操船するボートは実に滑らかで綺麗なラインを描いて川を下ります。
ラフティングガイドなら皆、はなさんのような美しいラインで川を下りたいと思うものですが、口で言うほど簡単ではありません。
操船に力は要らないと最も思わされる瞬間がはなさんの繊細で滑らかなパドリングを見ている時で、ボートを真っ直ぐ前に進めるという行為一つをとっても、他のガイドが「ギュン、ギュン」という力のこもったイメージの挙動に対して、はなさんは「スィー、スィー」という感じで、全く力みを感じません。
それでいてボートは他のガイドよりも効率良く前に進むので、ラフティングのセンスがあるというのは、こういう人の事を言うのだなと思います。
一人でボートに乗れるようになってからは、はなさんのボートに一緒に乗るという機会は滅多に無くなってしまいましたが、同じ左ガイドの中で僕は、はなさんを一番尊敬しています。
日本全国に何人の女性ガイドがいるのかわかりませんが、僕ははなさんが日本一の女性ガイドなのではないかと大袈裟ではなく、本気で思っています。
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 (はなさん指名のお客さんが毎日のようにカッパCLUBにやってきます。カッパCLUB指名№1のスターガイドです)

はなさんはカッパCLUBでの業務の傍ら、レース・ラフティング・チーム「Gratias!」のキャプテンも務めています。
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(「Gratias!」の面々。2013年の世界選手権優勝を目指してキャプテンのはなさんを中心にメチャクチャ頑張っています)

今、日本女子のレースラフティング界でトップにいるのが吉野川を拠点にしている「THE RIVER FACE」というチームで、2010年の世界選手権では世界チャンピオンになり、2011年の同大会では世界2位になっています。
つまり男子のレースラフティング界同様、今、世界のレースラフティングの基準は男女共に日本にあります。
それはつまり、「THE RIVER FACE」に勝つ事が出来れば、世界に行けるという事だけでなく、世界TOPを狙えるという事を意味します。
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      (国内の予選会を勝ち抜いて世界一へ。みなかみ代表の「Gratias!」をみんなが応援しています)

「Gratias!」は月曜日以外毎日朝練を行っていて、時間のある時は夕練も行っているそうです。
それだけでなく、木曜日は一日丸ごとチーム練習にあて、メンバー個々でも自分の足りない部分のトレーニングを仕事の後に行っているそうです。
これだけ練習していても「THE RIVER FACE」との差はまだまだ大きいとはなさんは言います。
「Gratias!」は2013年の世界選手権の優勝を目指しています。
その為にまず今年開催される予選会で勝たなくてはいけません。
厳しい戦いである事は間違いありませんが、今年吉野川で行われた大会で「Gratias!」は全種目1位という最高の結果を残しています。
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   (5月26、27日に吉野川で行われた「大歩危リバーフェスティバル」で3種目すべてで優勝した「Gratias!」)

はなさんが思い描いている理想のチームが出来上がった時、世界のTOPが見えてくると思います。
応援してくれている全ての人達からの期待、チームメンバーからの信頼、結果を求められる事の重圧、キャプテンのはなさんは色んなものを背負っているはずです。
それでも、はなさんなら何とかしてくれる、はなさんなら期待にこたえてくれる、皆、そう思っています。
僕もはなさん率いる「Gratias!」の様にコツコツと日々の努力を積み重ねて、一歩一歩目標に近づいて行けたらと思います。

2012年8月31日 倉田文裕