Vita 「変わらぬ日常」

Pista di montagna 「谷川岳馬蹄形一周の旅」

皆さんは「谷川連峰馬蹄形縦走路」というのをご存知でしょうか。
馬蹄形縦走路とは土合駅で有名な群馬県みなかみ町の「土合」を起点に「白毛門」⇔「笠ヶ岳」⇔「朝日岳」⇔「七ッ小屋山」⇔「武能岳」⇔「茂倉岳」⇔「一ノ倉岳」⇔「谷川岳」と回って再び「土合」に戻ってくるという周回路で、その周回路の形が馬のひづめ“馬蹄”の形に似ている事からその名がつけられました。
谷川馬蹄形縦走路
(「谷川連峰馬蹄形縦走路」。周回ルートになっているので時計回りでも反時計回りでもどちらでも問題ありません)

僕もこの馬蹄形縦走路を2、3年前にイーストウインドのチームトレーニングや自分自身のトレーニングで2回ばかり周った事がありますが、ここ数年は行きたい思っていながら、しばらく行けていなかったので、9月中旬のある日、久しぶりに馬蹄形一周の旅に出る事にしました。
 CIMG5857
「土合」から「松ノ木沢ノ頭」へと向かう登山道は急登が続きます。加えてご覧の様な鎖を掴んで進む岩場もあります)

馬蹄形縦走路は周回コースなので、「土合」から「谷川岳」方面に時計回りに周っても、逆に「土合」から「白毛門」方向に反時計回りに周っても、最終的には「土合」へと戻って来ますのでどちらでも問題ありません。
僕は過去2回この馬蹄形を周った時も今回も反時計回りで周りました。
理由は「白毛門」へと登る最初の急登で自分の体調をチェックする事ができ、もし1周周りきれる体調ではないと判断したら、そこで直ぐに引き返す事が出来るという事と、もう一つ、最後の最後「谷川岳」から下る際に最悪ロープウェイに乗って下りる事が出来るという事からです。
これが逆回りだと最後の最後に「白毛門」からの激坂を下らなければならず、ロープウェイも無いので、肉体的にキツイのはもちろん、精神的にもキツイ為、僕は反時計回りに周るようにしています。
CIMG5860
(「松ノ木沢ノ頭」から上を見上げると次のピーク「白毛門」が見えます。標高を上げる度ガスが濃くなっていきました)

馬蹄形を「土合」から反時計回りに周る場合、出発してすぐに急登が待っています。
標高を上げるにしたがって徐々に視界は開けてきますが、最初のピーク「松ノ木沢ノ頭」までは樹林帯の急登が続きます。
急登の途中には鎖を掴まずには登れない岩場や滑りやすい木の根地帯もあるので注意が必要です。
CIMG5859
 (下を見下ろすと土合駅や谷川岳ロープウェイのベースプラザが見えます。グルリ周って再びあの場所に戻ります)

「松ノ木沢ノ頭」まで来ると次のピーク「白毛門」の山頂が良く見えます。
また「松ノ木沢ノ頭」から「白毛門」に向かうトレイルの途中から西側を見渡すと谷川岳東面の岩場が良く見えます。
残念ながらこの日はガスが濃く、谷川岳方面の景色は何も見えませんでしたが、馬蹄形のルート上で綺麗な景色が見える場所は他にも沢山あるので気にせず前に進みました。
CIMG5869
(「白毛門」の山頂から上を見上げると次のピーク「笠ヶ岳」の山頂は完全にガスの中に隠れ何も見えませんでした)

「白毛門」まで標高を上げると、ガスは益々濃くなってきて、辺り一面真っ白になってしまいました。
「今日はずっとガスの中かな」と一瞬ガッカリしかけましたが、やっぱり一つのピークに到達した瞬間というのは、例え周りが真っ白でも嬉しいもので、この「白毛門」の山頂に到着した時も、嬉しさがガッカリを上回り、次の「笠ヶ岳」へと向かうエネルギーみたいなモノを貰う事が出来ました。
CIMG5875
(「朝日岳」山頂に到着。山頂はガスの中でしたが、この後少しずつガスが晴れ景色が期待できる天候になりました)

「白毛門」の山頂を通過した後は一旦少し下り、再び登り返して「笠ヶ岳」の山頂を目指します。
「笠ヶ岳」の山頂からは避難小屋方向へ少し下り、そこから100mちょっと標高を上げた後、ノコギリの歯のように連続する小ピークを越えて「朝日岳」へと向かいます。
僕は「朝日岳」に着いた時の体調でこのまま一周するか、ここで引き返すかを決めようと思っていましたが、「白毛門」、「笠ヶ岳」、「朝日岳」と幾つかのピークを越えた感触が悪くなかったので、「大丈夫、行ける」という判断をして、そのまま馬蹄形一周の旅を続ける事にしました。
そして運良く「朝日岳」のピークを越えた辺りから、あれだけ濃かったガスが少しずつ晴れてきて、ようやく綺麗な景色が期待できるかなという天候になってきました。
CIMG5886
(「ジャンクションピーク」付近からの眺め。綺麗な稜線の先には「清水峠」。更にその奥には「大源太山」が見えます)

「朝日岳」の周辺は池塘が点在する高山植物の宝庫で、この時も少しずつ晴れてきたガスの合間から太陽の光が降り注ぎ、その光が池塘に反射して何とも神秘的な光景が広がっていました。
「ずっとこの場に居たい」という気持ちになるほど綺麗な光景でしたが、先も長いので「グッ」と我慢して更に先に進むと「ジャンクションピーク」と呼ばれる分岐の先で更なる絶景が待っていました。
これから向かうルートの先を見渡すと「清水峠」、その先には“上越のマッターホルン”の異名を持つ鋭鋒「大源太山」、更に北東の方角には今、正に雲をかぶろうとしている大烏帽子山と、今この場所でしか見る事が出来ない絶景を前に暫くその場を動く事が出来ませんでした。
CIMG5884
(「ジャンクションピーク」付近からの眺め。今まさに雲を被ろうとしている大烏帽子山。迫力満点、圧巻の光景でした)

僕の撮った写真だけではその感動が伝わらないと思いますので、是非皆さんにも直にこの光景を見ていただきたいのですが、「ジャンクションピーク」から「清水峠」へと下るトレイルはガレていて危ない所やトレイルのすぐ横が崖になっている所もあるので、ここを通過するときは十分注意していただきたいと思います。
CIMG5894
(七ツ小屋山に向かう途中で後ろを振り返ると清水峠とジャンクションピークから峠へと続く稜線が綺麗に見えます)

「清水峠」から先、「蓬峠」までの間はスノーカントリートレイルと同じルートを進みます。
「清水峠」の先、熊笹の間を抜けていくトレイルの上りは過去に刈り払った笹の残骸がトレイル上に残っていて、滑りやすいので、特にここを下る場合は転倒しないように注意が必要です。
CIMG5896
(“上越のマッターホルン”の異名を持つ鋭鋒大源太山。馬蹄形の外側で圧倒的な存在感を放ち聳えたっています)

「清水峠」から「七ッ小屋山」へと向かう稜線上のトレイルは傾斜のキツい登りもありますが、北西方向には先ほども登場した“上越のマッターホルン”「大源太山」が、立ち止まって後ろを振り返ると先ほど通過してきた「清水峠」が綺麗に見えるのでキツい登りも苦になりません。
CIMG5901
(「七ツ小屋山」から「蓬峠」へと続く綺麗な稜線。比較的アップダウンの少ない区間で気持ち良く歩く事が出来ます)

「七ツ小屋山」の山頂を過ぎると「蓬峠」までは気持ちの良い稜線トレイルが続きます。
小さなアップダウンを繰り返しますが、キツい上り下りは無く、途中には池塘も存在し、快適に歩けます。
上の写真を見ていただいてもわかりますが、「朝日岳」を通過して一旦は綺麗に晴れたガスが、「蓬峠」の先でまた濃くなってきており、「蓬峠」の先の「武能岳」を見ると既にガスに覆われていて、山頂はおろか山容もわからない状態でした。
CIMG5906
(手前に見える建物が蓬ヒュッテ、その先に見えるガスで完全に覆われてしまっている山が次に登る「武能岳」です)

スノーカントリートレイルのルートは「蓬ヒュッテ」を通過した後、分岐を白樺尾根の方に下りますが、馬蹄形のルートは稜線上を「武能岳」の方へと向かいます。
「蓬峠」から「武能岳」の山頂までは標高差が230mありますが、急登という印象の傾斜はなく、加えてこの時は山の中腹から上にガスがかかっていた影響でとても涼しく、気持ち良く山頂まで行く事が出来ました。
CIMG5909
(蓬峠から武能岳山頂へと向かう登山道はゆっくり少しずつ標高を上げていくのでそこまで標高差を感じさせません)

「武能岳」の山頂を通過した後は“舟窪地形”という2つの平行して並ぶ稜線に挟まれた窪地の真横を通って次のピーク「茂倉岳」を目指します。
「武能岳」の山頂が1,759mで、一度1,594mまで標高を下げ、そこから「茂倉岳」の山頂1,977mまで上がるので、とてもタフな区間だと思いますが、その分「茂倉岳」の山頂に辿り着いた時の達成感というのはとても大きなものがあると思います。
CIMG5920
 (写真では分かり難いと思いますが、ここには舟窪地形という2つの平行して並ぶ稜線に挟まれた窪地があります)

出発した「土合」からここ「茂倉岳」までの間に出会った人の数はわずか6人だけでしたが、平日にしては多い方ではないかと思います。
ただ、この後通過する日本百名山の「谷川岳」は登る人の数も馬蹄形の比では無いので、「茂倉岳」を通過した時点でこれから出会う人の数は徐々に増えていくだろうと予想していました。
「土合」から「茂倉岳」の間に会った6名のうち少なくとも2名は馬蹄形を縦走していると思われる方々で、その2人組の男性パーティーの方達は朝2時に「土合」を出発して日帰りで馬蹄形を周っているとの事でした。
日帰り縦走、一泊二日もしくは二泊三日の縦走、単独行、複数人による集団縦走、スタイルは多々あると思いますが、ご自分の体力、技術、経験にあった無理のないスタイルで、安全に、楽しく、馬蹄形縦走の旅を楽しんでいただきたいと馬蹄形を周りながらそう思いました。
CIMG5928
(茂倉岳の山頂手前で周りを見渡すといつの間にか雲が視線よりも低い所にあり自分は雲よりも高い所にいました)

「茂倉岳」の山頂の分岐を「谷川岳」方面に向かうと、次に現れるピークが「一ノ倉岳」です。
“一ノ倉”と言えば日本三大岩場の一つ「一ノ倉沢」を思い浮かべる方が多いかと思いますが、その「一ノ倉沢」の真上にあるのが「一ノ倉岳」です。
その「一ノ倉岳」の山頂にも分岐があり、そのまま稜線上を真っ直ぐに進むといよいよ「谷川岳」のピークが近づいてきます。
CIMG5939
(「一ノ倉岳」から「谷川岳」のオキの耳へと続く稜線上トレイル。下から湧き上がってくるようなガスが幻想的でした)

「一ノ倉岳」から一度急坂を下って岩場を登りながら「谷川岳」の二峰に分かれている頂部の一つ“オキの耳”のピークに向かうのですが、この辺りからすれ違う登山者の数が少しずつ増えてくるので、もう谷川岳が近いんだなという気持ちになります。
“オキの耳”までの間にはゴツゴツした岩場や鎖を使って登る岩場なんかもありますが、そこは流石は沢山の人が登りに来る“名のある山”、慌てず、騒がず、一歩ずつ、慎重に進めば安全に歩けるようになっていると思います。
CIMG5943
(オキの耳の手前、鎖が設置された岩場。岩場が連続する区間ですが慎重に進めば問題なく通過できると思います)

“オキの耳”は完全にガスで覆われていて360度真っ白な世界になっていましたが、6、7人の人が休憩をしていました。
“オキの耳”でこれだけの人がいるという事はもう一つの頂部“トマの耳”には更に多くの人がいて、これからその人達が“オキの耳”の方に歩いてくるだろうと思ったので、トレイルが混雑しないうちに早々に“オキの耳”を後にして“トマの耳”へと向かう事にしました。
CIMG5946
(日本百名山の一つ谷川岳の山頂。オキの耳とトマの耳、谷川岳の2つの山頂には沢山の登山者が来ていました)

“オキの耳”から“トマの耳”の間には短い上り下りがあるだけですぐに到着します。
予想通り“トマの耳”には“オキの耳”以上の登山者の方がいて沢山の人で賑わっていました。
当然の事ながらここ“トマの耳”もガスで真っ白で何も見えなかったので、長居はせずに「肩の小屋」方面に向かって下山を始めました。
CIMG5948
(谷川岳登山の拠点「肩ノ小屋」。ここから天神尾根、田尻尾根、田尻沢を通って出発地点の土合へ下りて行きます)

馬蹄形縦走を行う時に「谷川岳」の山頂から「土合」へと下りる部分はどこを通るのが正解なのかわかりませんが、僕は「肩の小屋」から天神尾根を「天神平」方面に下って、途中の分岐で田尻尾根を下り、田尻沢に下って、「土合」へと向かいます。
「谷川岳」山頂から天神尾根を「天神平」へと向かうルートは「谷川岳」登山のメインルートの一つで良く整備された登山道が続きますが、途中にはロープや鎖付きの岩場もありますので注意が必要です。
また、この区間は特に沢山の登山者の方に出会いますので、ここを下る場合は登りの方に配慮して慎重に下っていただきたいと思います。
CIMG5951
(田尻尾根の登山道は滑りやすい木の根や苔生した石、ぬかるみなどが多いので転倒しないように注意して下さい)

天神尾根を熊穴沢避難小屋の分岐まで下り、その分岐を「天神平」方面に進むと、しばらくアップダウンの少ない木道が続きます。
この木道は傾いてしまっている所や木段と地面との間が極端に広くなっている所があるので注意が必要です。
また、濡れていると非常にスリッピーになるので、雨の日や雨上がりの日は十分に注意して田尻尾根の分岐を目指す必要があります。
CIMG5954
(ケガなし、病気なし、落し物なし。何事もなく無事に出発地点へと戻って来る事。それが馬蹄形を縦走する条件です)

田尻尾根のトレイルは樹林帯の中を抜ける湿気の多いトレイルで、木の根や苔生した石が多いので、滑って転ばないように注意が必要です。
また、田尻尾根ルートの出口付近、田尻沢に合流する部分はぬかるんでいると非常にスリッピーなので注意して下さい。
田尻沢に合流したら、最後に林道を下り、国道291号線に出た所でいよいよ「馬蹄形一周の旅」が終わります。
CIMG5955
(ケガなく無事に戻った自分にご褒美のコーラ。僕より頑張って足元を支えてくれた“TevaSphere”とコーラで乾杯)

今回、僕自身3回目の「馬蹄形一周の旅」でしたが、ある程度天候にも恵まれ、今までで一番楽しいと感じる旅になりました。
僕は今回もこの馬蹄形をトレーニングの一環として一周しましたが、馬蹄形は速く周れれば良いというものではありませんし、ましてやレースをする場でもありません。
僕が何時に「土合」を出発し、どこどこのピークを何時に通過して、「土合」に何時間で戻って来たのかという情報をここに書く事で競争を煽るような事はしたくないので、敢えてここで書く事はしませんが、昭文社の山と高原地図のコースタイムでは時計回りでも、反時計回りでも、一周するのに約17時間必要という事になっており、実際休憩時間を加えたり、悪天候などの条件が加わるとそれ以上にかかる可能性も十分に有り得ます。
馬蹄形を縦走する場合は、絶対に無理はせず、自分の技術、体力、経験に合わせた十分な装備と余裕のあるスケジュールで臨んでいただきたいと思います。

2013年10月3日 倉田文裕

50 percento ricupero 「半治癒」

前にこのブログでも書きましたが、僕は3月の初めにケガをしてしまい、それ以来僕の左手首にはずっとギブスが装着されていました。

ギブスを装着して6週間が経ち、先日ようやくそれが外れました。CIMG2582
(3月の初めにケガをして以来、約6週間の間僕の左手に装着されていたギブスが先日ようやく外れました)

ケガから2週間とちょっとで先生から軽くなら運動をしても良いと言われ、少しずつ軽めのランを再開しましたが、実はOKが出る数日前には我慢できずに走り始めていました。

また、ケガから4週間が経った時には、先生から本当はギブスは6週間しておいた方が良いけれどももう少し我慢できるかと聞かれました。

この時、順調に回復していたので先生としてはギブスを取っても問題無いと判断したのかもしれませんが、僕としてはギブスをした状態でも軽く走る分には全く問題なかったのでしっかりと治す為にもう少しなら我慢した方が良いと思い「我慢します」と答えました。CIMG2497
(ケガの療養中、実家のある松本に戻り、暇だったので小学生の時に登って以来の国宝松本城に登りました)

ギブスを装着して6週間、ようやく待ち望んだ瞬間を迎えた訳ですが、この後もリハビリという大事な仕事が残っています。
これでようやく半治癒で、半分治ったにすぎず、まだ完治ではありませんが、
ギブスが外れたという事実は僕にとっては非常に大きな事で、ギブスをしている間は行けなかったジムにもようやく行けるようになりました。
CIMG2578
(僕のランニングコースの一つ城山公園。この時は花見の人でいっぱいで走れる状態ではありませんでした)

ギブスをしている間も行けない事は無かったのですが、ジムの方やジムを利用している方々に迷惑をおかけするのも嫌でしたし、変な注目を集めるのも嫌だったので行けませんでした。

まだまだケガをする前の状態には戻っていませんが、これからは何の気兼ねもなくジムを利用する事が出来るので、焦らず少しずつ、先ずはケガをする前の状態に戻す努力をしたいと思います。CIMG2585
(約6週間ぶりのスポーツジム。まだまだケガをする前の状態には戻りませんが、少しずつ戻していきます)

軽い運動ならOKと言われてから、しばらくはロードを走っていましたが、僕の地元である松本市に帰った時にはトレイルも少し走りました。

当然の事ながら転ぶ事はおろか左手を着く事すらも許されない状態だったので、傾斜の緩い、難易度の低いトレイルをゆっくり走る事しか出来ませんでしたが、ようやく足枷ならぬ手枷が無くなり、自由に走れるようになったので、これからはしばらく走る事が出来なかったトレイルを思う存分楽しみたいと思います。
CIMG2588
(久しぶりに持ち出した僕の「ジムセット」。中身は風呂道具に、着替えに、シューズ、サプリメント等々)

ただ、タイトルにも書きましたが、「完治」ではなく、まだ「半治癒」なので無茶はせずにしっかりとリハビリをして「完治」を目指して頑張りたいと思います。

まだ「完治」ではありませんが、ここまで回復出来たのは皆様のお蔭であり、僕のケガによって迷惑をおかけした方々には、これから少しずつでも恩返しをしていかなければと思っています。

先ずはケガをする前の自分を取り戻し、完治した時にはケガをする前より1つ2つ成長した自分でいられるように頑張りたいと思いますので、これからも何卒宜しくお願い致します。

2013年4月22日 倉田文裕

Certa mattina 「ある晴れた日の朝」

以前、ブログでも書きましたが、僕は今、新潟県湯沢町にある「苗場スキー場」でスノーモービルのインストラクターをしています。
毎日、群馬県みなかみ町の「カッパCLUB」から、新潟県湯沢町の「苗場スキー場」まで車で片道1時間位かけて通っているのですが、その道中、僕には楽しみにしている事が一つあります。
それは「仏岩ポケットパーク」という場所から見る“眺め”なのですが、特に良く晴れた日の朝はよりキレイに見える事から、ここを通過する際、特にワクワクします。
CIMG2285
 (僕の楽しみの一つ「仏岩ポケットパーク」からの“眺め”。良く晴れた日の朝はワクワクしながらここを通過します)

1月下旬のある日、この日も朝から雲一つない青空が広がっていて、「仏岩ポケットパーク」に到着する前から、今日はキレイな景色が見えるかもしれないと期待しながら車を走らせていました。
この日の朝の景色は、この冬一番じゃないかと思う位、空気が澄みきっていてキレイで、瀬入沢という沢の向こう側には日本百名山の「至仏山」(2,228m)や「平ヶ岳」(2,141m)がハッキリと見えました。
僕は冬の山には登りたいと思いませんし、夏の山の方が圧倒的に好きですが、遠くから見てる分には冬の山も最高だなと思いました。
CIMG2292
(朝のもう一つの楽しみ。それは、まだ誰も足を踏み入れてない綺麗に整備されたコースを最初に走りに行く事です)

この日は苗場スキー場に着いてからも快晴が続き、一日中キレイな青空が広がっていました。
毎日の営業を前にやる事の一つとして、常設のコースを一回りして、積雪の状況やスノーラフティングの滑り具合を確かめるという仕事があります。
この仕事も僕の楽しみにしている事の一つで、圧雪車によって踏まれ、ゲレンデ並みにキレイに整備された、まだ誰も走っていないキレイなコースを誰よりも先に走れるというのは、この仕事をしていないと出来ない、この仕事の特権みたいなものなので、僕はその職権を乱用して、いの一番に走りに行って小さな幸せを感じています。
この日の朝も最高の青空の下、最高にキレイなコースを誰よりも先に気持ち良く走らせてもらいました。
CIMG2295
 (まいちんさん、のじさん、もしゃりさん、最高の天気を引き連れ苗場に遊びに来ていただきありがとうございました)

この日は良くカッパCLUBに遊びに来て下さる3名の大切なお客様が苗場スキー場に遊びに来ていて、スノーモービルもしに来てくれました。
御三方は、まずスノーモービルの体験コースで遊んでくださり、その後、スノーラフティングにも乗って下さいました。
この日の前日までずっと荒天で、バッドコンディションの日が続いていたので、スノーラフティングも“楽しむ”というよりは“修業”に近いモノになってしまっていましたが、この日は、空は晴れわたり、無風で、暖かく、スノーモービルをするにも、スノーラフティングをするにも絶好のコンディションだったので、僕も御三方も終始楽しく遊ぶ事が出来ました。
CIMG2296
(スノーラフティングは天候や雪の状態によって沢山雪を被る事があるので、御三方の様に完全防備でお越し下さい)

雪が降っていようが、多少寒かろうが、スノーモービルもスノーラフティングも楽しい事に変わりはありませんが、限度を超えてしまうと、気分的にも、肉体的にも“修業”みたいになってしまうので、苗場スキー場に遊びに来ていただく際には、御三方のように“晴天”を一緒に引き連れてお越しいただければと思います。
これから2月にかけてが最も寒い時期で、特にスノーラフティングは天候や雪の状態によっては沢山雪をかぶる可能性がありますので、完全防備で遊びに来ていただけたらと思います。
CIMG2302
(「スノーチュービング」を楽しむカッパCLUBのカメラマン「おトク」さん。この笑顔で充分楽しさが伝わると思います)

今年はお隣りで「わくわくランド」を運営している「ヤマテ・コーポレーション」さんと、同じ受付場所を使用し、仲良く一緒に営業をさせていただいていますが、「わくわくランド」内にはお子様はもちろん、大人の方も楽しめる「スノーチュービング」や「スノートレイン」等のアトラクションもありますので、カッパCLUBの「スノーモービル」、「スノーラフティング」と併せて遊びに来ていただけたらと思います。
カッパCLUB」では苗場スキー場のスノーモービルツアーの他にも、エアーボードスノーシューバックカントリーのツアーも行っていますので、この冬は是非「カッパCLUB」に遊びに来て下さい。

2013年1月30日 倉田文裕

Spiaggia di tramonto 「サンセットビーチランニング」

11月下旬、用事で沖縄に行く機会に恵まれ、少しですが久しぶりに温暖な気候の中を走ってきました。
場所は沖縄県中頭郡読谷村の残波岬周辺の海岸線沿いで、丁度時間が取れたのが晴天の日の夕方だったので、綺麗な夕日を見ながら気持ち良く走る事が出来ました。
CIMG1795
(11月下旬、午後4時半過ぎの沖縄。まだまだ明るく、気温も快適そのもので、走るには最高のコンディションでした)

ランニングを開始したのが午後4:30過ぎで、僕の実家のある長野県松本市だったら、もう薄暗く、既に寒いとさえ感じる時間帯だと思うのですが、そこは流石は沖縄、まだ十分明るく気温も快適そのものでした。
綺麗な景色に期待し、胸を躍らせながら走っていると、沢山の車とすれ違い、追い抜かれました。
恐らく、僕同様、綺麗な夕日を見に残波岬へと向かう人たちと見てきた人たちの車で、ランニングとドライブという移動手段の違いはあれど、同じ目的の人が沢山いるとわかって、何故か嬉しくなりました。
CIMG1797
(今は台風の被害を受け一般公開されていませんが、前は上まで登る事が出来、東シナ海の絶景が見れたそうです)

残波ゴルフクラブ、残波岬ロイヤルホテル、残波岬公園の前を通過し、白亜の大型灯台の建つ残波岬に到着。
予想通り、平日の夕刻にもかかわらず、そこには沢山の人が夕日と雄大な景観を見る為に集まっていました。
残波岬は磯釣りやダイビングのポイントとしても有名なスポットで、晴れた日には慶良間列島などを眺望できますが、夕日は岬の南側の「残波ビーチ」の方がより綺麗に見えると思ったので、僕は早々に岬を後にして「残波ビーチ」の方へと向かいました。
CIMG1802
(「さぁ、皆であの夕日に向かって走ろう!!」と言いたくなるような綺麗な夕日。あの時のお二人、「お幸せに!!」)

案の定、「残波ビーチ」の方では水平線上に沈み行く夕日が綺麗に見え最高の景色でした。
しばらく右手に綺麗な夕日を見ながら海岸線を走っていると、「残波ビーチ」に一際目立つ“白いドレス”を着た女性がいるのに気がつきました。
どうやら残波岬にあるチャペルで結婚式を挙げたカップルが、砂浜で綺麗な夕日をバックに記念撮影をしていたようで、タキシード姿の新郎が、ウェディングドレス姿の新婦をお姫様抱っこして写真を撮っていました。
最高な景色の中、最高に幸せな光景を見れたので、とても感動し、お二人のもとまで行ってスタンディングオーベーションをしたいところだったのですが、ただの怪しいランナーになってしまうので、グッと我慢をして、心の中でお二人を盛大に祝福しながら通り過ぎました。
CIMG1819
(延々広がるサトウキビ畑。心地良い風に吹かれて「ザワワ~ザワワ~ザワワ~♪」という曲も聴こえてきそうでした)

この辺りで少し暗くなってきたので、海岸線を少し離れて走っていると、そこには広大な「サトウキビ畑」が広がっていました。
残念ながら、その辺りは道が舗装路で、雰囲気がイマイチでしたが、「沖縄らしさ」の一つ「サトウキビ畑」のド真ん中を“真っ直ぐ”に突っ切る道を「サトウキビ」のように“真っ直ぐ”に背筋を伸ばして、寄り道をせずに“真っ直ぐ”に帰る事にしました。
ただ、このまま宿に帰ってしまうと、走行距離も走行時間も満足できる量ではなかったので、残波岬を挿んで反対側のビーチの方にも足を伸ばし、満足のいく時間、距離を走ったところで折り返し、宿へと帰りました。
CIMG1827
(残波ビーチとは岬を挿んで反対側の海岸線。真栄田岬の方までしっかりと歩道がありとても走りやすい道でした)

この次の日は全国的に荒れ模様の天気で、沖縄は暴風雨と呼ぶに相応しい強烈な雨と風だったので、僕は本当に運が良かったと思います。
高校の修学旅行以来の沖縄でしたが、当然の事ながら、その時は海岸線を綺麗な夕日を見ながら走るなんて事は出来なかったので、今回は温かい快適な気候の中、最高の景色を見ながら走るという、贅沢なランニングが出来て幸せでした。
CIMG1829
(日が暮れる直前、夕日に染まる綺麗な飛行機雲を発見。沖縄という場所、何から何まで絵になり、様になります)

冷え性の僕としては、このまま冬の間は沖縄に残っていたいという気持ちでイッパイでしたが、後ろ髪を引かれる思いで沖縄をあとにしました。
また機会があったら、再び沖縄を訪れ、気持ちの良い海岸線を探して走りたいと思います。

2012年12月3日 倉田文裕

Viaggio a Yamanashi 「富士山の見える山&温泉の旅」~ほったらかし温泉編

10月14日、15日、“富士山の見える山”に登り、“富士山の見える温泉”に入るという旅に、山梨県まで行って来ました。
前回は、10月14日に行った“富士山の見える山”、「三ッ峠」への登山について書きましたので、今回は、15日に行った“富士山の見える温泉”について書きたいと思います。
CIMG1448
(「ほったらかし温泉」。日の出の1時間前から22:00(最終受付21:30)まで入れます。日の出も夜景も最高です)

今回、入りに行った“富士山の見える温泉”は「ほったらかし温泉」という山梨市にある温泉です。
テレビでも紹介されているので、既にご存知の方も多いと思いますが、「富士を望み、甲府盆地を見下ろす眺望と、“星空が天井”と謳われる夜景が好評」の温泉です。
CIMG1450
 (トイレの看板。男子は看板通り“普通のトイレ”でした。女子の“眺望トイレ”が気になりますが、一生入れません)

“綺麗な夜景を見ながらの温泉”というのも捨て難かったのですが、今回は“日の出”と“富士山”を一緒に見ながら温泉に入りたかったので、ちょっと早起きをして、甲府駅から始発電車に乗って、日の出に間に合うように「ほったらかし温泉」まで行きました。
「ほったらかし温泉」という名前の由来は、Wikipediaによると、“宣伝もサービスもなし、勝手に楽しんでというところからほったらかし温泉と名付けられた。昔、山の地主が穴を掘ったところ、温泉がわき出たのを地主は別に何とも思わず、ほったらかしていた所から名付けられたという説もある”だそうです。
acchi1
  (「あっちの湯」(昼間)※施設内は撮影禁止なのでホームページより写真を拝借しました)

ほったらかし温泉」の浴場は「こっちの湯」と「あっちの湯」の2箇所あり、平成11年に開場した元の湯「こっちの湯」は富士山を真正面に望む眺望と落ち着いた風情が人気で、平成15年末に開場した「あっちの湯」は、「こっちの湯」に比べ、2倍の広さで、新日本三大夜景に認定された甲府盆地を一望できるロケーションと雄大さが人気だそうです。
acchi_n1
  (「あっちの湯」(夜間)※施設内は撮影禁止なのでホームページより写真を拝借しました)

「ほったらかし温泉」の従業員の方は、毎朝、まだ暗いうちから浴場の清掃を開始するそうなのですが、その際に目にする東の山並みから昇る日の出の光景に深い感動を覚えていたそうです。
「この感動をお客様にも味わっていただけたら…」という思いから、毎朝「あっちの湯」を日の出の1時間前から開場するようになったそうです。
CIMG1453
(施設が高台にあるので、お風呂の外からも良い景色が見えます。ススキに、富士山、気持ち良い秋空、最高です)

日の出前のまだ薄暗い時間に「ほったらかし温泉」に到着すると、流石は人気温泉、すでに沢山の車が駐車場に停まっており、その多くが他県ナンバーの車でした。
タクシーの運転手さんの話によると、休日の混み具合はこんなもんじゃないという事だったので、平日に行って良かったと思いました。
CIMG1458
 (前日は山頂から、この日は温泉から、綺麗な富士山を見る事が出来ました。山も温泉もほうとうも最高でした)

早速、入浴料を払って、日の出時刻に開場する「あっちの湯」に入りました。
中に入ると、内風呂、露天風呂、共に、すでに沢山の人がおり、皆、温泉に浸かりながら、日が昇るのを今や遅しと待っていました。
僕は取り敢えず、洗い場で全身を洗ってから、露天風呂へと向かいました。
露天風呂に出ると、辺りはすっかり明るくなっており、もうそろそろ東の山並みから朝日が顔を出すのではないかという感じでした。
そして、露天風呂に浸かって、数分後、東の山並みの向こう側から、綺麗な朝日が姿を現しました。
朝靄がかかった幻想的な富士山と綺麗な日の出を同時に見れるという、これ以上ない、とても綺麗で、贅沢な景色でした。
CIMG1461
(お決まりの写真撮影。露天風呂で、こんな風に“ほったらかし”状態で暴れたかどうかは…ご想像にお任せします)

温泉に浸かりながら、「ここで、初日の出を見れたら最高だろうな」と思いましたが、やはり、元旦は混雑が予想されるので、前売り券による定員制を導入しているそうです。
日の出後も、僕はしばらく気持ち良い露天風呂と甲府盆地や富士山の景色を楽しんでいたのですが、ふと周りを見渡すと、露天風呂が急に空き始めた事に気付きました。
僕みたいに初めてここを訪れた人は、日の出を堪能した後も、引き続き、温泉や甲府盆地、富士山などの風景を楽しみますが、常連のお客さんは、日の出前から、既に温泉は十分に堪能しているので、日の出を堪能したら、もうお風呂から出てしまうみたいです。
それでも、「平日の早朝にこんなに」と思う位のお客さんが露天風呂にも内風呂にもいたので、流石は人気の温泉だなぁと思いました。
CIMG1467
(タクシー乗り場。手作り感満載の「イス」がとても良いです。人も、お湯も、雰囲気も、とても「ホッ」とする温泉でした)

前日の“富士山の見える山”に引き続き、“富士山の見える温泉”も最高でした。
“富士山の見える”という条件付きの旅だったので、天候だけが心配だったのですが、2日間ともに最高の天気に恵まれ、“最高の旅”で終える事が出来ました。
今回の旅が最高に楽しかったので、来年も“富士山の見える〇〇”の旅は継続しつつ、実際に富士山にも登って日本一高い所からの景色というものを堪能しに行きたいと思います。

2012年10月30日 倉田文裕

プロフィール

倉田文裕

タグクラウド
QRコード
QRコード
  • ライブドアブログ